こんにちは。データサイエンティストの本多です。
オープンワークにはデータアナリストとデータサイエンティストという、データ分析を担当する職種が2つあります。長いので以下まとめてアナリストと書きます。 ありがたいことにどちらの職種にも多くの方の応募があり、具体的な仕事内容について質問いただくことも多いので、 エンジニアブログにお邪魔して、僕たちの普段の仕事について紹介させていただきます。
分析の目的
何かを分析するには、最初に目的が必要です。 最終的には僕たちの分析の仕事は他の職種のメンバーと同じように、オープンワークのミッションである、「ひとりひとりが輝く、ジョブマーケットを創る。」ことを目的としています。 このミッションの実現に向けて、社内ではより具体的な目的を持った複数のプロジェクトが結成されて、 日々自社サービスであるOpenWorkの新規機能の開発や改善に取り組んでいます。 そして、アナリストもそれらのプロジェクトにアサインされ、データ分析のスキルをもって各プロジェクトに貢献していきます。
プロジェクトにおける分析
各プロジェクトの中で具体的に何を分析しているのか、というのもよく受ける質問です。 社員クチコミサイトを運営しているので、クチコミの分析をしていると想像されていることも多くあります。 しかし実際には、僕たちの一番メインの分析対象は自社のサービスとそのユーザーです。
プロジェクトごとの目的はプロジェクトによって様々であり四半期ごとにも見直されますが、 基本的にはサービスを改善してUXを高め、求職者と求人を出している企業の良いマッチングを多く生み出すことを目指しています。
各プロジェクトで、多くの施策が実装され、新規機能をリリースしたり、サイトのデザインが改修されたりします。 当然、各施策はそれによってサービスが良くなるように考えて開発されるのですが、 「実装した結果、本当にサービスが改善されたのか?」は、ABテストなどを実施してデータを元に検証する必要があります。
「もっと快適に(途中で離脱せずに)クチコミや履歴書を書いてほしい」とか、「もっと多くの求人を見てほしい」といった目的を持って実装された改善が、 本当にその目的を達成しているかどうかという基本的な検証をするのはもちろんですが、 思わぬところに悪影響が出ることを警戒し、多角的に施策を評価することはアナリストの重要な仕事です。 その分析結果しだいで、その施策が採用されるか切り戻しになるか決まるので非常に責任のある仕事でもあります。
また、今後はどのような施策を実施するかをデータに基づいて検証していくためにも、ユーザーの利用状況を分析し、課題を洗い出していくことが必要です。 そのために僕たちはかなり多くの時間をユーザーの行動(=サイトの利用状況)の集計や分析に費やしています。
全社で利用するダッシュボードの構築
個々のプロジェクトの分析だけでなく、全社的に利用する共通のダッシュボードを作成することもアナリストの重要な仕事です。 サイトに掲載されているコンテンツ(企業情報/クチコミ/求人情報など)の情報を整理したダッシュボードや、 訪問から会員登録、クチコミ投稿などの基本的なコンバージョン、メールへの反応やABテストの基本指標など、 頻繁に確認する必要がある集計結果は汎用的なダッシュボードを構築し、いつでも確認できるようにしています。
クチコミの分析は?
主な分析対象はクチコミではない、という話は先程書いたばかりですが、もちろんクチコミの分析は全く行っていないということはありません。
オウンドメディアである働きがい研究所において、機械学習を用いてクチコミのテキストからスコアを作成し、ランキング化して発表するといった試みもあれば、 投稿されたクチコミの目視審査を支援する機械学習モデルの開発なども担当しています。 やはり、僕たちにとって最大の資産は投稿していただいたクチコミのテキストなので、今後ももっと活用の幅を広げて行きたいと思っています。
その他の仕事
分析の他にもアナリストチームでは様々なタスクを担当しているので、いくつかピックアップして紹介します。
データ基盤やワークフローの維持保守
集計結果を可視化しているダッシュボードやスプレッドシートで、毎日データを更新し、最新のデータが確認できるようにしているワークフローサーバーがあります。 社内にはまだデータ基盤専任のエンジニアがいないので、アナリストがインフラチームと協力してこのサーバーの維持保守を行っています。 具体的には新規のデータ更新タスクを実装したり、エラーが起きた場合は原因調査とリカバリーを行います。
各種アルゴリズムの設計
蓄積したデータを活用したコンテンツに必要になるアルゴリズムの設計もアナリストが担当しています。 投稿された企業レポートのスコアから、サイトに表示する企業評価スコアを算出するアルゴリズムを設計しているのも僕たちです。
社外へのデータ提供
とてもありがたいことに、OpenWorkのデータに関心を持った外部のメディアなどから企画の提案をいただくことがあります。 その際には、データについての説明や企画のディスカッションから参画し、集計と分析まで行います。
データサイエンティストとデータアナリストの違い
ここまでデータサイエンティストとデータアナリストをまとめて書いてきましたが、実際、社内でもこの2つの職種をあまり厳密には区別しないようにしています。 それは、分析において大切なことは冒頭に書いた通り目的であって、手法ではないと考えているからです。 機械学習はデータサイエンティスト、ダッシュボードを作るのはアナリストといった分け方はせず、 その時に必要なアウトプットや各メンバーのスキルに応じて柔軟に最適な方法が取れるようにしています。
ただ、現実的な話として持っているスキルセットが少し違うので、担当する仕事の傾向に違いはあります。 例えば、他の職種のメンバーと密に連携して迅速に分析結果を出したり、ダッシュボードを構築するタスクはデータアナリストが担当することが多く、 ある程度数理的な知識が必要になるタスクはデータサイエンティストが担当することが多くなります。
終わりに
現時点でも弊社独自のデータは色々ありますが、今後も新機能の開発によって新しい種類のデータも集まります。 そうすれば、ますます分析対象は広がっていきます。 また、B to B の事業であるOpenWork リクルーティングの事業拡大に伴い、データを社内で使うだけでなく 顧客に提供する分析も増えていくなど、データの活用の幅やアナリストの活躍の場も広がっています。
オープンワークのミッションに共感し、データに興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、一緒に働いてみませんか。 オープンワーク株式会社では、一緒に働く仲間を募集しています。 vorkers.jp vorkers.jp