- 1. はじめに:今の振り返り、マンネリ化していませんか?
- 2. 思い付いたきっかけ:お酒が絡む場での「本音」を再現したい
- 3. 「デイリーハッスル」という新しい視点
- 4. 実践ガイド:オープンワーク流・振り返りのステップ
- 5. 居心地のいい場を作るための工夫
- 6. やってみて感じたチームの変化
- 7. おわりに
1. はじめに:今の振り返り、マンネリ化していませんか?
こんにちは!Webアプリケーションエンジニアの藤本です。
チームの振り返りでよく使われるKPT。とても優れたフレームワークですが、続けているとこんな空気になることはないでしょうか。
- Keep:今週の進め方は概ね良かったです
- Problem:細かい改善点はいくつかありますが、今回は見送り
- Try:余裕があれば改善を検討します
……悪くはないけれど、正直あまり次につながっていない。
「何か改善案を出さなきゃ」というプレッシャーから、本質的ではないTryをひねり出す時間になってしまい、だんだん“やった感”だけが残る会になっていく。
特に「Problem」という言葉は曲者です。
「問題は何?」と聞かれると、正論や根拠が必要な気がして身構えてしまい、本当は引っかかっている小さな違和感ほど口に出しづらくなります。
この記事では、そんな心理的ハードルをぐっと下げて、現場のリアルなモヤモヤを拾い上げる
「デイリーハッスル」という考え方を、オープンワーク流にアレンジした振り返り手法として紹介します。
2. 思い付いたきっかけ:お酒が絡む場での「本音」を再現したい
きっかけは、とてもシンプルな気づきでした。
懇親会や飲み会など、リラックスした場では
「実はあそこ、もっとこうなればいいのに」
「正直ここ、ちょっとやりづらいよね」
といった話が、驚くほど自然に出てくる。
なぜいくらKPTの振り返り会を重ねても出ない本音が、あの場では出るのか。
それは「公式な課題」ではなく、
ただの感想やちょっとした不満として話せるからだと思います。
そこで、お酒の力を借りずにこの雰囲気をいつもの振り返りでも再現できないだろうか?と考えました。
3. 「デイリーハッスル」という新しい視点
デイリーハッスルとは
デイリーハッスルとは、日常業務の中で感じる
「ちょっとした煩わしさ」
「些細なイライラ」
のことです。
この考え方は、森一樹さん(@viva_tweet_x)の以下の記事に大きく影響を受けました。
「問題」と構えなくても、「なんか面倒だったかも」「ちょっと嫌だったかも」等、
日々の中で感じた小さな引っかかりを書いてもらえれば、それで十分です。
これだけで、発言のハードルは驚くほど下がります。
オープンワーク流アレンジ:"アンサーカード"という仕掛け
森さんの記事で紹介されている手法は、個人のハッスルを可視化する点で非常に優れています。 一方で、実際の運用を考えると、
「全体の対話につながりにくいのではないか」 「デイリーハッスルを解消するために“みんなで考えよう”とすると大袈裟になり、かえってデイリーハッスルを出しづらくなってしまうのではないか」
といった懸念を感じていました。
そこで追加したのが アンサーカード です。
イメージは、X(旧Twitter)の引用RT。
誰かのハッスルに対して、
- 共感
- 気づき
- 軽い提案
- 感謝
などを、気軽に重ねていける仕組みにしました。
ハッスル × アンサーが積み重なることで、
問題解決しようと気負わなくても、自然と改善の会話が回り始めます。
4. 実践ガイド:オープンワーク流・振り返りのステップ
僕たちのチームでは、オンラインホワイトボードの FigJam を使っています。
流れはシンプルに3ステップです。

① デイリーハッスルを書く(10分)
業務で感じたモヤモヤや、ちょっとした気持ちを付箋に書き出します。
ポイントは、「ちゃんとした意見」にしようとしないことです。
業務で感じたちょっとした違和感や引っかかりを、そのままメモするくらいでちょうどいいです。
「ちょっとしたモヤモヤ」が中心ですが、感謝などポジティブな内容が混ざってもOKです。
例:
- 「〇〇のタスク、優先度が曖昧で進めきれていない…」
- 「〇〇の業務知識、まだ追いつけていない感じがする」
- 「最初から閲覧権限があれば、もっとスムーズだったかも」
- 「プランナーの〇〇さんの要件整理、めちゃくちゃ助かってます!」
② アンサーカードを書く(10分)
次に、自分以外のハッスルを眺めて、感じたことを書きます。
狙いは「モヤモヤを出しっぱなし」にしないこと。
その場で共感や知恵を循環させます。
リアクション例:
- 共感:「それ、私も同じこと思ってました」
- 発見:「確かに…そこ気づいてなかったです」
- 提案:「こうしたら楽になるかもですね」
- 情報:「それ、別チームで似た対応してましたよ」
- 感謝:「この件、本当に助かりました!」
③ 画面散歩しながら雑談ベースで振り返る(30分)
最後は、全員でボードを眺めながら気になったところを拾っていきます。
ファシリテーターが画面共有をして、付箋を一つずつゆっくり見ていく、いわゆる「画面散歩」スタイルです。
イメージとしては 『あつまれ どうぶつの森』
島を歩き回りながら、目に留まった住人にふらっと話しかけていく、あの感覚に近いです。
たとえば
「この付箋、もう少し聞いてもいいですか?」
「このアンサー、いいですね」
そんな軽い一言から会話を広げていきます。
大事なのは、
「Tryを出さなきゃ」と思わないこと。
会話の中で自然に
「じゃあ一回やってみますか」
「それ、〇〇さんに聞いてみますね」
が出てくればそれで十分です。
5. 居心地のいい場を作るための工夫
振り返りの時間を、できるだけ気負わず話せる場にしたい。
そのために、いくつか工夫をしています。
スタンプとアンサーカードは、役割を分けて使う
スタンプは、「いいね」に近いリアクションです。
「わかる」「それいいですね」と感じたら、深く考えずに押しています。
アンサーカードは、「引用RT」みたいな位置づけです。
誰かのハッスルをきっかけに、自分の考えや補足を少しだけ添えたいときに使います。
無理に使い分ける必要はありません。
そのときの気分で、やりやすいほうを選べばOK、くらいの感覚です。
作業中はBGMを流して、作業に入りやすい空気をつくる
カードを書く時間が静かすぎると、どうしても考え込みやすくなります。
そこで、カード記入中は FigJam の音楽機能を使い、BGMを流しています。
参考事例: note.com
「ちゃんと書かなきゃ」と構えすぎず、
思いついたことを、そのままメモする感覚で書けるようになりました。
ボードが賑わってくると、自然と話しやすくなる
スタンプやアンサーカードが増えてくると、ボード全体が少しずつ賑やかになります。
それだけで、「ここに何か足しても大丈夫そうだな」という安心感が生まれます。
あらためて促さなくても、ボードを眺めながら話が広がっていくことが増えました。
6. やってみて感じたチームの変化
実際にしばらく続けてみて、振り返りの中でこんな変化が見えてきました。
「自分だけじゃなかった」と分かる場面が増えた
自分ひとりで抱えていると思っていたモヤモヤに、
スタンプやアンサーカードが重なることがありました。
「あ、これ自分だけじゃなかったんだ」と分かるだけで、
気持ちが少し軽くなる感覚がありました。
日頃の「感謝」や「喜び」をより気軽に共有しやすくなった
不満だけでなく、感謝やちょっとした気づきも並ぶようになり、
普段のやり取りでは見えにくい考え方や感じ方が伝わる場面が増えました。
「この対応、助かっていました」
「本当に心強かったです!」 「うれしかったです!」
といった言葉が振り返りの中で自然に出てくるようになり、
チームメンバー同士で感謝を伝え合うきっかけにもなっています。
改善が「自分たちの話」になった
誰かに決められた課題ではなく、
自分たちが日々引っかかっていることを起点に話すので、
「じゃあ、これ一回変えてみますか」
「ここ、次までに少し試してみます」
といった話が、自然と出やすくなりました。
7. おわりに
振り返りは、単なる反省会ではなく、
チームが 明日からより心地よく働くための作戦会議 だと思っています。
もし今の振り返りに限界を感じているなら、一度「問題探し」はやめて、
メンバーのデイリーハッスル(モヤモヤ)に耳を傾けるところから始めてみてください。
きっと、思っている以上にたくさんのヒントが転がっています。
オープンワークでは、
「どうすればもっと働きやすくなるか」
「このチームなら、どんなやり方が合うか」
を、現場ごと・チームごとに考え、やり方を少しずつ試して変えていく文化があります。
もしこの記事を読んで、
- こういう振り返りの雰囲気、ちょっといいな
- チームで試行錯誤しながら改善していく環境に興味がある
- 技術だけでなくチームの空気や働き方も大切にしたい
と感じてもらえたら、ぜひ一度オープンワークの採用サイトものぞいてみてください。
オープンワークの採用サイトはこちら www.openwork.co.jp